醤油の話3

醤油を美味しく使う

番組でのハイライトは、醤油比較であった。封を切ったばかりの新
鮮な醤油と封を切ってから常温で放り出しておいた醤油の比較なの
だが、試した人々全員が、なぜか後者の醤油が美味しいと判断する
結果となった。これは長いこと、風味の飛んだ醤油を使い続けてき
た結果、その味に慣れてしまったことがひとつの原因だという。

料理人は、醤油を密封のきく小型の容器に一升瓶から移して、なお
かつ冷蔵庫で保管しながら使うという気の使い方をする。著名な割
烹店である｢田むら｣の亭主は醤油を｢生もの｣と断じていたほどだ。

こうすることで、澄んで香りのよい醤油の状態を比較的長く保つこ
とができ、美味しい醤油をいつも使うことができるようになるとい
う。これから醤油は、開封後にはぜひとも冷蔵庫に保管せずばなる
まいと思った次第である(^^ゞ

そして照り焼きには｢濃口＋たまり｣､野菜の色を活かすには｢淡口｣､
出汁巻き玉子には｢白｣の醤油を使い分けるような手間を惜しんでは
美味しい日本料理はできないということを改めて思い知った。その
こと自体は知らなかったわけではないが、醤油がきわめて鮮度を重
んじる傑出した調味料であることを思い知らされたことで、改めて
その感を深くした次第なのである(^^ゞ