愛は霧のかなたに

愛は霧のかなたに
2003/06/05

｢愛は霧のかなたに｣ってタイトルは、なんかくすぐったいタイトル
ですねぇ(^^ゞこれはダイアン・フォッシーという動物学者がアフ
リカでマウンテンゴリラの観察と保護にあたった実話を描いた映画
ですが、原題は『Gorillas in the Mist』というダイアンの書い
た原著と同じタイトルです。こっちの方がよっぽどいい(^o^) 原著
は1983年に初版が上梓されています。で、なぜか σ(^^ )の手許に
は、その初版があるんですよね。なんでだろぉ～♪＼(^^ )

映画の製作は1988年。もう15年も前になりますが、６月３日にその
ＤＶＤが発売されました。待ちにまって買いに行きました。なにし
ろこの映画には、恐らく霊長類の中ではもっとも美しいと思われる
マウンテンゴリラのシルバーバックが生き生きと描かれています!!
しかも、意志の強そうな顎をもったシガニー・ウィ-バー(^o^)が主
役を演じています。｢エイリアン｣以来、惚れ込んでいる女優さんで
す。こんなにそろっちゃ、買うしかないでしょう?!(^o☆)＼kon!!

この映画は雑誌の編集者をやっていたころに試写会で観て以来です
から、まんま15年ぶり(^^ゞ改めて映画を観て吃驚したことがいく
つかありました。そのひとつは、映画が、ダイアンの書いた原著に
掲載されている写真と同じシーンをいくつも描いていることです。

ネタばれになりますが、ディジットというダイアンと極めて親密に
なっていた群れリーダーであるシルバーバックが、密猟者たちに殺
害されて頭と両手先を切り取られてしまった姿が、原著の写真のま
まです。そのほか、原著の写真をなぞるかたちで、よりリアリステ
ィックに撮影が行われた様子が見えます。原著を片手に映画を観る
とまるでドキュメンタリーのようです。それには訳があります。

実はダイアンは、1985年に何ものかに殺害され謎の死を遂げるので
すが、この映画はその死後すぐに企画され、３年後には公開された
ものです。彼女がベースとしていた場所まで出向いて行われた困難
な撮影において、マウンテンゴリラたちは、シガニーをまるでダイ
アンの代わりのように慕ったといいます。ドキュメンタリーっぽく
なるわけです。いやすでにセミドキュメントなのかもしれません。

類人猿の観察において、以前は｢餌付け｣が行われました。しかしこ
れでは自然な彼らの生態を調査することができないと分かったこと
から、餌付けならぬ｢人付け｣という方法が編み出されました。日本
猿などに見られる猿山のボスという姿は、実は餌付けの結果として
現れた姿で、自然状態では必ずしもああした猿山のボスという姿は
見受けられないのだといいます。こうした話については、立花隆氏
の『猿学の現在』という分厚い書物に詳しく書かれています。また
ゴリラの生態については、ゴリラ研究において世界的な権威とされ
ている山際寿一氏の各種の本が最適でしょう(^-^)

ダイアンがマウンテンゴリラに対して執った観察方法はこの人付け
でした。マウンテンゴリラの生態を乱さぬよう、人間の存在をあた
りまえのような雰囲気にしながら、彼らの群れの間近で観察を続け
ることが｢人付け｣です。1966年から３年間もかかってゴリラに溶け
込む努力を続け、亡くなるまでの20年間マウンテンゴリラの生態研
究を間断なく行い続けたといいます。その意志のみごとなこと!!

映画の主役に、意志の強い女性を演じさせたらうってつけといって
過言ではないシガニーが選ばれたのは当然という気がします。でも
実際のダイアンは、彼女の原著や映画のメイキングに登場する姿を
みると、かなりチャーミングなタイプの女性です。シガニーではち
ょっと強すぎたかなぁ(^o^)と改めて感じます＼(^^ )

買い込んできたこのＤＶＤは、宝物になりそうです。なぜならその
映像に、いつも美しいマウンテンゴリラの姿を見ることができるか
らです。ゴリラ映像だけをキャプチャーして別編集したいぐらいで
す(^o☆)＼kon!!ｽﾙﾅｯﾁｭｳﾉ!! そのくらいゴリラはかっこいい!!

この映画に関する解説と原著の日本語訳についての情報を以下に記
しておきます。興味ある方はご覧になってみてください!!(^-^)/

映画｢愛は霧のかなたに｣についてはこちらを!!
邦訳の単行本についてはこちらを!!